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イサラを一番わかってあげて、一番悲しかった人の涙。
ウェルキンとは血のつながっていない兄妹だというのを、気づけなかったな。
それに、エーデルワイス号は誰かが代わりに乗らなければいけないとはいえ、
イサラ以外の他の誰かが操縦するのはイヤだな。
たとえ、それがロージーと親しくなったザカであってもね。
しかし、奪還作戦はあっという間だったな。
でも、実際にはその闘争そのものが大事なのではなく、
イサラに対するウェルキンの気持ちが重要だったから、尺の関係上、
上手い構成だと思っているよ。


ウェルキン「こんなにつらいのに、こんなに心が痛むのに、イサラがいなくなってから、ずっと苦しんできたのに…、涙が出ないんだ」
この場面のこのシーンが、とても大好きだ。
イサラとの兄妹になったエピソードに加えて、その現場を見て、心を痛めて、
だけど、その気持ちに整理がつかなくて…。
なんとか整理をつけようとしたのかもしれない。
イサラの所持物と一緒に。その思い出と一緒に。
その整理をするために、帰ってきた。
でも、帰ってきても、何が変わるでもない。イサラは戻ってこない。
その現実を受け入れることの残酷さ。
それが涙が出ないというウェルキンの言葉なのかもしれない。
イサラが亡くなってから、なんとか平静を保って、自分の立場上、
一人の戦死者として、いつも通りに、部下に指令を出して…。
それが非道やら、人間らしくないなどと言えるかもしれないけど、
我慢して、なんとかしているなら、それは違うと思う。


泣きたいけど、泣けない。
人のいないところなら、きっと泣いてもいいと思う。
ウェルキンもそう思って、自分の故郷に帰って、一人になって、
イサラのことを思い出して、泣く準備は出来た。
それなのに、泣けなかった。
いつの間にか、自分の中で制御していた感情というのが、
ただ、抑えつけるだけになっていて、感情を表に出さないように、
上長として立派になるべきだと、そう思って、押し殺したきたために。
いざ、感情を押し殺さなくても良くなったのに、脳がそれを許さない。
感情を表に出してはいけないと、指令を出している。
心と態度と感情と表情が、いつの間にか全て狂ってしまっていた。
だからこそ、悲しみが、苦しみに代わって、イサラを思いやるための
気持ちが心を締め付けている。
その気持ちを開放してあげるための、アリシアの言葉と抱きしめてあげる仕草は、
とても優しくて、ウェルキンのことをよくわかっていて、
それで、抱きしめた後は一人にしてあげて、
泣けるための場面を作ってあげる理解度。
そして、咆哮のように泣けたウェルキン。
その後の表情には清々しさがあって、
少しだけ、ウェルキンにも心にゆとりが持てるようになったのかな。
いつかは、その現実を受け入れることが必要だから。








